誰も住まなくなった「空き家」から出火するケースがあります。
全国で空き家は増加傾向にありますが、相続で受け継いだ実家など、管理にお悩みの方は少なくありません。
今回は「空き家の火災」をテーマに、出火の原因や対策、そして持ち主の責任についても解説します。
「空き家の火災」が生じる原因にはどんなものがある?
誰も住んでおらず、火元がないはずなのに、なぜ空き家の火災は起きるのでしょうか?
原因には、まず「放火」が挙げられます。
消防庁によると、2018年1月から3月の間だけでも、「放火」と「放火の疑い」をあわせて1,383件もの件数があったとされます。
1か月あたりで約460件となり、軽視できない件数ですね。
放火による火災の背景には、狙われやすい状況が考えられます。
たとえば「門扉が開いている」「いつも明かりがついていない」「窓の施錠がされていない」など、管理がされておらず、空き家とわかるような状態です。
また放火以外にも「ガス漏れ」や、「タバコのポイ捨て」などの原因もあります。
火災の原因やリスクを避けるには空き家の管理が大切です。
空き家で火災を起こさないための対策をご紹介
住むことができなくても、空き家は所有する方にとって大きな資産です。
ここでは火災から空き家を守るための対策をご紹介します。
ひとつは、フェンスなどを設ける対策で、敷地内に不審者が侵入しないようにします。
夜になったら、照明が空き家の周りを照らすようにするのも有用です。
引火による火災が起きないように、紙や木などの燃えやすいものは放置しないようにしましょう。
また、管理者の看板は目に付く位置に出しておくことも有効な火災対策になります。
「空き家の火災」について持ち主の責任はどうなる?
空き家での火災は、所有者の責任も気になる点です。
たとえば不審者が出入りをし、タバコの不始末から火災となり、隣家に延焼した場合はどうなるのでしょうか。
日本には「失火責任法」という法律があり、重過失がある場合を除いて、損害賠償責任は問われません。
例に挙げたケースでも、持ち主の重過失とされる可能性は低いと見られます。
しかし、空き家が増え、管理に対しても重要視されつつあるなかで、今後は持ち主の責任の範囲が変わってくることも考えられます。
空き家の管理が難しい場合などは、火災のリスクを避けるためにも、早めに売却することが賢明な策といえそうです。