不動産市場において、二世帯住宅は売却困難な物件の一種であるということをご存じでしょうか。
今回は二世帯住宅の3つのタイプを挙げたうえで、とくに売却が困難なタイプとその理由、二世帯住宅売却全般に関する注意点もご紹介します。
二世帯住宅の3つのタイプと特に売却困難なタイプ
二世帯住宅には、完全分離型・一部共用型・完全同居型の3タイプがあります。
完全同居型は大きめの家に二世帯が普通に同居するだけなので、売却する際もそれほど不利にはならないタイプです。
しかし、玄関を含むすべての生活スペースを分けている完全分離型二世帯住宅や、玄関やお風呂など一部だけは共用使用し寝室やリビング・キッチンなどは別々に使う一部共用型二世帯住宅は売却困難になりがちです。
完全分離型や一部共用型の二世帯住宅が売却困難な理由
二世帯住宅のなかでも、完全分離型や一部共用型の二世帯住宅は売却が難しくなります。
理由は、二世帯同居というライフスタイルを選ぶ方が少ないこと、完全分離型や一部共用型は建築コストが高くついている分、売却の際の売り出し価格も購入検討者から見れば割高と感じやすいことです。
また、完全分離型や一部共用型は「二世帯住宅専用に建てられた」ということが一目瞭然で、築年数の浅いうちに売りに出された場合、購入検討者がその売却理由は何なのかと不安を感じることもあります。
極端な話をすれば「こんなに早く手放すなんて、実は不審死があった心理的瑕疵物件では」などという警戒をされることもあるのです。
二世帯住宅はバリアフリー化もしくはバリアフリー対応可能になっているため、高齢化社会の今はそこにメリットを見出してあえて二世帯住宅を選ぶ方も出てきていますが、それでもまだ売却は難しいのが現状です。
二世帯住宅を売却するにあたっての主な注意点
二世帯住宅を売却するにあたっては、まず登記に関して注意すべきです。
二世帯住宅を区分登記や共有名義で登記していた場合、所有者全員の同意がなければ売却ができません。
そして売却活動では、内見の際にはできるだけ生活感を消すことに注意すべきです。
生活感丸出しの状態では内見者に良い印象を与えられませんので、住宅内をスッキリきれいにしておくのはもちろんのこと、換気に気をつけ、消臭グッズでにおいを残さないよう心がけましょう。
そして、完全分離型や一部共用型の二世帯住宅については、売却という手段だけにこだわりすぎないというのも注意点として挙げられます。
たとえば完全分離型はメゾネットで、一部共用型はシェアハウスでの、賃貸物件としての活用も可能です。
まとめ
二世帯住宅のなかでも完全分離型や一部共用型は売却が困難になりがちですので、売却に時間がかかることも想定しておきましょう。
なるべく内見者に良い印象を与えられるよう生活感を残さない工夫も必要ですが、売却以外にも賃貸物件としての活用などを検討するのもひとつの手です。
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